【短編】 ききたいこと
Ⅰ-Ⅱ
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―――チョロいなって、思われてもいい。
恥ずかしいなんてこれっぽっちも思わない。
それだけで? って驚かれることだとしても、好きになってしまったものは事実だから―――
だけど、好きになったはいいけれど、どうしたら先生に近づけるのか、わからなくて。
周りにそういったカミングアウトをしてる子もいないし、歳の離れた人と付き合ってる子もいなくて、だからなんとなく自分が打ち明けるのも憚られて相談すら出来ず。
先生の授業を受けるたびに大きくなる"好き"が私を無慈悲に締め付ける。
すぐ近くにいるようで、実はものすごく遠い先生と私の距離。
机の脇を通られるだけで胸がうるさく音を立てて、ひょっとすると周りに聞こえているのではと疲れるほど心配になる。
どうすれば生徒と先生の壁を薄くすることが出来るのか。
考えても考えてもわからなくて、思いは募っていくばかり。
置き所のない膨らんだ気持ちにしかし限界はないようで、どんどんどんどん大きくなっては私ばかりが苦しんでいる。