恋を知った日
あなたはある日突然やって来た。
あの日は雨だったと思う。
丁度私が幾度目かの
余命宣告を受けた日だった。
「3日。」
私に残された時間は
3日だった。
あまり驚かなかった。
ただ、今回は本当に死ぬ。
そう思った。
夜になると雨は激しくなり
雷がなった。
ベッドの上で
あと3日をこんな風に
ボーっと過ごすのかな
とか思いながら眠りについた。
1時間も経たないころ
凄まじい雷の音で目が覚めた。
「あれ…窓が開いてる…さっきまで閉まってたのに…」
窓を閉めようと、床に足をつけた。
…その瞬間
目の前の闇にベッドに押し倒された。
「あれ…私…立てないくらいに体力落ちちゃったのかな…」
けれど…
腕が押さえつけられていることに気がついて、目を凝らして目の前の暗闇を見つめた。
「だれ…?」
暗闇から返事はない。
しばらくの沈黙のあと
暗闇から低い声がした。