恋を知った日
「私やっぱり死ぬんだ…」
ポツリと言うと、
「…お前、死ぬのが怖いのか?」
悪魔は不思議そうに言う。
「ううん…ただ、私、病室の外出たことないから、外の景色を見たかったなあって思って」
「なんだ、そんなことか。その願い叶えてやろうか?」
「…え?」
悪魔の言葉に耳を疑う。
「ほら、行くぞ」
悪魔が私をひょいと抱き上げる。
「えっ…ちょっ…なに?」
悪魔は私を抱えたまま、窓に近付く。
そして、窓の外に飛び出した。
遠のいていく意識の中、私が思ったこと…
あぁ、私…死ぬんだ…