恋を知った日
悪魔の優しさ
朝の日差しに目を覚ますと、隣には眠っているクランがいた。
自分の左手に温もりを感じて、布団をはがして、見てみるとクランの手が私の手を包んでいた。
「悪魔の手も温かいんだ。」
静かに言うと、クランが目を開けた。
「なに笑ってんだよ」
ムスっとした顔で言うクランが可笑しくて、私はまた笑った。
「お前の笑う顔、はじめて見た」
「え?なんか言った?」
「いや…笑ったほうが可愛いじゃん」
クランの言葉に顔が赤くなる。
フッと笑ってクランは私の頭に手をのせる。
つまらなかった病室が
まっ白だった病室が
キラキラと輝いて見えた。
そんなことを思っていたら、お母さんが入ってきた。