三日月
私はその後、瀬知の親と何分か話して、病院を出た。


家に着くと私は瀬知からもらった小さな袋を開けた。



中にはオルゴールと、手紙が入っていた。


私はゆっくりと、オルゴールのねじを回した。

私の好きな歌手の曲が流れた。
 


それを聴くと、瀬知との想い出が頭の中でよみがえってきた――・・・


瀬知と2人で弁当を食べたこと、一緒に買い物をしたこと、そしてあの持久走の日――・・・


そして私はオルゴールを聴きながら手紙を開いた。


その手紙は、読んでみると私にとって遺言のようなものだった。


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