三日月

読み終えた後、私は何をしたか覚えていない。

気づいたら涙が枯れていた。

もう泣く力さえ残っていなかった。
何もする気がなくて、この日は早く寝た。

そしてその夜、夢を見た。




私は一人で海の砂浜に立っている。

回りに何があるのかよく分からなかった。


気がつくと遠くで誰かが私を呼んでいた。

――``瀬知だ!!!'’

私は瀬知の名前を呼ぼうとした。


しかし声が出なかった。




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