三日月
すると、瀬知の言葉が脳裏をよぎった。


“俺のこと忘れて”


「いやだ、瀬知・・・ッ!!!やだ、やだ・・・ッ!!!

・・・行かないで・・・!!!瀬知は死んでない!!!

・・・あああッ!!!いやあぁっ!!!」



涙が出たと同時に声も出た。

しかし、瀬知は私の方を見ないで向こうへ行ってしまった――・・・


やがて見えなくなった時、私の足元には泥が一面に広がっていた。

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