i want,


真依の声は、段々涙で聞き取れなくなっていった。
同時にあたしの目頭もぐっと熱くなる。

「真依…ねぇ、真依」

しゃくりあげる様にして泣く真依の肩に手を置く。
真依の震えが伝わって、あたしの涙がこぼれた。

「あたし、嬉しかったんよ?真依が…真依だけが今までと変わらず接してくれて、凄い…凄い、心強かったんよ?だから…そんなこと言わんで?あたし…」

言葉に詰まった。
思わず本音が出てきそうだったから。



…真依。

行かないでよ。

怖いよ。寂しいよ。
真依がいてくれたから、あたし大丈夫だった。
真依がいなくなったらって考えると、怖くて仕方ないよ。

…でも、そんなことじゃなくて。

今言わなきゃいけないのは、そんなことじゃなくて。

「…真依」

もっともっと、伝えたい、大切なこと。


「あたしも…真依が大好き。ずっと…友達じゃよ?」


あたしより少しだけ高い背の真依を、思い切り抱き締めた。

声にならない真依は、あたしを抱き締めながら何度も首を縦にふった。

その振動が、あたしに大丈夫だと言ってくれてるみたいだった。


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