i want,

一瞬、みどの目が揺らいで、でもすぐにあたしを睨み付ける様に見つめる。

あたしも逃げずに、みどを見つめた。

「みどが想う気持ちと、同じだとは思わん。でも、この気持ちを言葉で表そうとしたら…好きって言葉しか、ないんよ」

あの衝動を、欲求を、好きだという言葉で片付けていいのかはわからない。
でも、それが一番近いと思う。
垣枝を欲しいと、そう思う気持ちを恋だと言うのなら。あたしはもう、それでいい。

だから。

「…なんで」

不意にみどが呟く。

「なんで垣なん？」
「え…」
「あお…みどの気持ち知っちょったじゃん。なのになんで好きになるん？普通ならんじゃろ。友達の好きな人じゃよ？」

みどの声が段々震えてきた。あたしは下唇を噛み締める。

「無神経じゃとか思わんの!?あたし、あおのこと信頼しちょったけぇ言ったんよ!?なのに…」
「じゃから！」

あたしの声が、みどの言葉を遮った。

「じゃから…言った。みどには…ちゃんと言いたかったんよ。まだ誰にも言っちょらん。一番始めにちゃんと、みどに言いたかった」