i want,
…振り向かないみど。
あたしは軽く俯いて、それからゆっくり踵を返した。
みどと逆方向に歩き出す。
綺麗事は言えなかった。
仲直りできるなんて思ってない。
こればっかりはもう、どうしようもないことだから。
「あお!」
みどの声が、あたしを止めた。
ゆっくりと振り向く。
「あたし、垣に第2ボタンもらったけぇ!」
みどが突き出した手には、夕日を浴びたボタンが光っていた。
あたしは、ボタンからみどに視線を動かす。
睨み付ける様にあたしを見つめる。
宣戦布告とは、こういうことなのだろうか。