i want,




そうしてあたし達は、小学校を卒業した。



きっとあの時、
全てが始まったのだと思う。



引き返すことはできなかった。



根拠のない自信が、あたしにはあった。



垣枝があたしを好きになる自信なんかじゃない。



あたしが垣枝の全てを、わかっていられる自信。



この時のあたしはまだ、いつかの田口の言葉をひとつも理解していなかったのだ。










『普通じゃないってこと』











…今ならわかる、なんて、そんなこと到底言えないけど。













< 118 / 435 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop