i want,
「へー!あおの友達じゃよ。ね、あお」
突然綾がその大きな瞳をあたしに向けた。同時に金髪の子の視線も向く。
一瞬心臓が速まるのは、彼女の持つ力強い視線のせいなのだろうか。
「あ…うん。垣枝じゃろ?」
「あぁ、そうそう。垣枝君だ」
目の上で切り揃えられた綺麗な金色の前髪が、彼女が笑った拍子に揺れた。
案外人懐っこい笑顔だと思った。
「この子?綾が仲良くなったって子」
「あ、そっか!あお、みはと会うの初めてか!」
ようやくその事実に気付いてくれた綾は、何故か改めて座り直し、コホンと咳払いまでして言った。
「えーっと、この子は矢槙あおいちゃん。一小なんだよね。で、綾と同じクラス。この金髪の子は、国仲美晴、みんなみはって呼びよるけぇ、あおもみはって呼び!」
視線を交互に動かしながら、綾は簡単な紹介を続ける。
「みはと綾達は二小やったんよ。今は香緒と由利と同じクラスやんね?」
「うん、4組」
「昔っから仲いいんよ。みは、こんな髪で怖そうに見えるけど案外人懐っこいから仲良くしたげてね」
「なんで綾が上から目線なんだよ」、笑いながら『みは』は綾の頭をはたいた。
それからあたしの方を改めて向き、綾も言う人懐っこい笑顔で言った。