i want,

…このクラスになって、既に半年がたとうとしていた。


初めは多少なりとも不安はあったけど、もうそんなもの微塵もない。

このクラスは、既にひとつの世界として成り立っていた。不思議と、独裁者も王様もいなかった。

つまるところ、とても仲のいいクラスなのだ。



「相変わらず仲良しじゃねぇ」

はっとして振り向くと、そこには二人の女の子。

「びっくりしたぁ。おはよ」

驚くあたしに、二人も笑顔で「おはよ」と挨拶。

そう、これが正しい朝の会話なのだ。

「てか、仲良しって?」
「あおと垣じゃって。いーっつもじゃれちょる」
「だぁれがあんな奴っ!どこが仲良しよ?」
「さっきも仲良くお喋りしよったじゃーん」

「違うって!」、冷やかす二人、歩夢と真依を必死に否定するのには理由があった。
確かに垣枝と仲良し扱いされるのも腹立たしかったが、それ以上に困ること。
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