i want,
第三章
告白
……………
外の寒さは気にならなかった。それよりもただ、胸がざわついて仕方ない。
「…どこ、」
部室の前、きれた息を整える。
校舎の死角になりそうな所はくまなく探した。でも、ヒカルの姿はなかった。
もしかしたら校外かもしれないとも考えた。でもヒカルの友達の荷物がまだ机にあったから、きっと校内にいるはずだと思い直した。
どういうつもりでみどを連れて行ったのか。ヒカルの目的は何なのか。
いくら考えても、嫌な予感しか感じない。
あたしはもう一度だけ大きな深呼吸をして、再び校舎裏を探そうとした。
その瞬間だった。
ガシャンと空に響く様な音が辺りに響いた。
ドクンと心臓が跳ねる。
ゆっくりと振り向いた。
部室の連なる先には、町の体育館。
エリカ先輩達のたまり場だった場所。
すっと血の気が引くのがわかった。
先生達にもばれない様な町体の裏。人目につかず呼び出すにはうってつけの場所だ。
速まる心臓を抑えることもせずに、あたしは町体の裏へ走った。
自分の予想が当たっていて欲しいと思うと同時に、外れていて欲しいと思う自分もいた。
真実に、近付きたくなかったから。