i want,
……………
「あ、あおっ!」
「うそ、あおじゃんっ!」
さとに連れられて行った居酒屋には、既に飲みはじめていたみんながいた。
由利が一番に気付き、居酒屋の視線が集まる。
「久しぶりーっ!大人っぽくなったねぇ!」
「何で夏帰って来んかったんよぉ。そんなに都会がいいか!」
「いや、あたしの住んでるとこそんな都会やないし」
由利達にもみくちゃにされながら、変わらないみんなの空気に安心した。
久しぶりに会ったにも関わらず、久しぶりという感覚は既にない。
「あおーっ!」
「うわっ、綾!」
みんなの熱い歓迎を受けていると、綾が押し分けて飛び付いてきた。思わずよろける。
「やーもー久しぶりじゃあ!何で夏帰って来んかったんよぉ!」
「それさっき由利達に言われた…てか綾、高校生の頃より派手さ増しちょらん?」
「よぅ言ってやってくれ。そこらのギャルよりかよっぽど派手じゃ」
「なによ、神ちゃんミニスカ好きじゃあ?」
「それとこれとは別じゃ!」、座敷に上がってビールを手にするさとと綾のやり取りを見て、みんな可笑しそうに笑った。