i want,
「久しぶりっ」
「え…何で?」
「矢槙前の小学校の同窓会、来なかっただろ。帰って来たって神野から聞いたから」
駆け寄って来た真依の隣にも、随分久しぶりの顔。
まとう雰囲気は相変わらずだけどその整った顔は随分と大人になった、田口だ。
「今日あおがこっち帰るっちゅーけぇ、二人呼んだんじゃ」
驚くあたしの横で、にっとさとが笑った。
いたずらな笑顔。あたしは眉を下げて、「もーっ」と笑う。
嬉しすぎるサプライズ。いつかもこんなことがあったのを思い出す。
あれは確か夏の暑い日。小学校でやった同窓会で、真依を連れてきてくれたのもさとだった。
「よしっ!同窓会、第二弾じゃなっ」
寒空の下、さとのその一声で、この小さな同窓会は始まった。
温かい思い出達が、そこにはあった。