i want,
後悔は、沢山してきた。
でもそれは諦めで、本当の後悔ではなかったはずだ。
本当の後悔をする前に、あたしにはまだ、できることがあった。
それをただ、怖くてしてこなかっただけ。
ただずっと、思い出に逃げてただけだった。
「…ありがとう、綾」
…あたしはずっと、ヒカルを永遠に失ったと思っていた。
もう二度と会えないと、勝手に思い込んでいた。
でもあたしは生きてる。
ヒカルも、生きてる。
それだけで可能性は、決して0にはならない。
…みんなの笑い声と綾の手のひらの温かさを感じながら、あたしは小さく決心した。
蓋をした過去を、もう一度開けよう。
あの、言葉にならない想いを。