i want,
……………
外に出ると、思ったよりも寒くて身震いした。
「ね、八槇さんやんな?今からみんなでカフェいかへんて話してんねやけど、行かへん?」
後ろから出てきたスーツ姿の女の子達に声をかけられて、振り返る。面接を一緒に受けてた子達だった。
「あー、ごめん、あたし今から予定あって」
「そうなん。残念やなー。ま、また会えるやろしね!内定出たらいいねっ」
じゃあね、と、軽く手を振って彼女達はビルの隙間の路地に入って行った。穴場のカフェがありそうだと思った。
ふうっと軽く息をついて、あたしは彼女達とは反対方向へと向かった。夕方の空はもう半分暗闇が閉めている。夜になるのが随分早くなったと思う。
携帯を取り出して、電源をつけた。新着メールを問い合わせると、二件入っている。
一件は就職サイトからのお知らせ。それは流し読みをして、もう一件を開く。
『今日大阪?仕事7時に終わるし、飯作って』
案の定、予定があった。
つけ加えた様に、『材料は冷蔵庫をご自由に』とあったが、そんな期待できる食材があるわけでもないだろう、あたしは判断して、近所のスーパー経由で行くことにした。
パスタかオムライスだな。
さっき彼女達が言ったカフェに影響されたかな、なんて、寒空の下思った。