i want,
そうか。今このタイミングか。
そう思うものの、何をどう切り出していいものかわからない。
ヒカルがあたしをまっすぐに見つめる。
その視線は、昔と何らかわりない。
あたしは何を躊躇っているんだろう。
「あの…さ、」
「なんけ」
「…合コン、て、しない?」
一瞬、ヒカルの眉間にしわが寄った。
「は?」
「いや、あのね、あたしの友達が合コンしたいって言ってて、でもあたし女子大じゃ?メンツ女の子しか集めれんくて、そんで…その、」
「何じゃ、つまり、俺に男のメンツを集めろと」
直球でヒカルにそう言われて、あたしは軽く頷くしかなかった。
ヒカルは未だまっすぐあたしを見つめている。
あたしは耐えられなくて、ちょっと視線を外した。
「それ、」
「え?」
「それ、あおも来るんけ?」
あたしは思わず顔を上げて、その瞬間、ヒカルと目が合った。
ヒカルの瞳が、ふいに中学生のヒカルを彷彿させて、胸が一瞬苦しくなる。
何故、今そう感じたのかは、わからない。
「行く…けど、」
あたしがそう答えると、ヒカルは口元に手を当てて、「ふーん」と呟いた。