i want,

「わかった」
「え?」
「日程は?」

ヒカルは立ち上がり、家の鍵を手にする。もう帰れ、ということか。

「ヒカル達に任せるって、友達が」

ヒカルの機嫌を損ねたかとあたしは焦って立ち上がった。ヒカルはあたしの鞄を手に取り、あたしに渡しながら言った。

「週末までには連絡するわ」

そのまま玄関に向かう。
あたしは急いでその背中についていった。

帰りは、ほぼ無言のまま駅までの道程を歩いた。




…週末、ほんとにヒカルからメールが来た。

日程は来週の金曜日夜7時から。
メンツは四人、年はほぼみんな一緒。
どこかでヒカルは本気にしていないと感じていたから、少し驚いた。

お礼の返事ついでに、『ヒカルも来る?』と聞いてみる。

『行く』とあった文字に、あたしは戸惑いを隠せなかった。

ヒカルも来る。
安心と、どこかに何か、もやがかかった気持ちがある。

それが何なのか、あたしにはよくわからなかった。




















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