i want,

……………

合コンはいい感じで終わり、麻美も理名も大満足だったようだ。
それに関しては安心した。だけどあの日から、あたしの中に小さな変化が生まれたことに、焦りにも似た感情を抱いていた。

日射しが痛いと感じる夏。
大学にレポートを出しに来た帰りに、いつものラウンジでコーヒーを飲んでいた。

蝉の鳴き声がそこら中に溢れている。
冷房が効いていてもにじみ出る汗は止められない。

コーヒーを飲み干したら、まっすぐ家に帰ろう。そう思って紙コップに手をかけたら、机の上の携帯が揺れた。
受信メールを見る。理名からのメールだった。

『今日夜暇?麻美と韓国料理食べにいくんだけど、あおいも来ない?』

この暑いのに韓国料理か。
暑いから食べたくなるのかもしれないな、なんて思いながら、返信ボタンを押す。
『行く』と二文字打った時に、再びメールが届いた。
一旦メールを保存して、受信メールを開く。

名前を見た瞬間、心臓が小さく跳ねた。

ヒカルだった。

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