i want,

ぐいっと腕が持ち上げられ、あたしはそのままヒカルの背中に吸い込まれた。

ヒカルはあたしをおぶって立ち上がり、あたしは全てをヒカルに預ける形になる。

ぐわんぐわんと回る頭。
同時に身体中の血液が逆流する様に、心拍数がわけのわからないくらいに上がる。

ヒカルは綾からあたしの荷物を受け取り、「いけるけ?」と耳元で囁く。

あたしは返事の変わりに、ヒカルの首もとに腕を巻き付けた。

ヒカルの懐かしい香り。香水は変わっているはずなのに、懐かしさに胸が締め付けられる。

酔っているけど、それでも頭のどこかで酔っているふりをしながら、素直に全てをヒカルに預けた。























< 403 / 435 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop