i want,

「…踊りたくない」
「何言いよるんよー。頑張ってきぃや!」
「もーやだ。絶対月曜日、学校でバカにされるっ」
「大丈夫じゃって」
「だって姫の格好なんて、絶対似合わんもんーっ」

「そんなことないっちゃ!」、そう言いながらも、多分みんな、あたしの姫の舞なんか想像もできないというのが本心だろう。

普段からあんまり女の子っぽくないあたし。編み物よりもドッジボールの方が似合うし、着物よりも、Tシャツにジーパンの方が絶対似合う。


もう一度溜め息をつこうとした所に、今一番聞きたくなかった有希の声が聞こえた。

「あ、あおちゃんおった!そろそろ着替えぇって!」

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