氷の女王に口付けを

お言葉に甘えてここに残ったのはいいが……。


「どうやって入ろうか?」


病院の前には取材陣の垣根ができていた。


おいおい、これじゃあ一般の人達さえ入れないじゃないか。


さすが恐ロシア。日本のマスコミとはレベルが違うぜ。


「どうすんだよ。これじゃあ中に入れねーじゃん」


一緒に見舞にきた大介がぼやく。


そうだな。このまま突っ切るのは至難の業だ。


「仕方ない。落ち着くまで待ってるか」


「はぁ!? そんなの待ってたら日が暮れちまうよ! こうなったら強行突破だ!」


「あっ! 待てって!」


走り出す大介。
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