氷の女王に口付けを

裏口にはもう誰もいない。


俺のロシア語も案外イケるじゃん。


日本語に訳すと「正面から来た」


電子辞書を持ってきて本当に良かった。


相棒を鞄に戻して、なんとか病院へ入ることができた。


美優の病室は最上階の個室。所謂VIPルームというやつだ。


面会拒否をくらうかと思っていたが、どうやら中に侵入してしまえば特になにもないようだ。


なんなく病室までたどり着き、重いドアをスライドさせる。


扉の向こうには、


「え?」


「あっ」


下着姿の美優が……て、うわぁあああ!?
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