氷の女王に口付けを

美優は恨めしそうに俺を見つめる。


「諦めたら怒るって、さらに私を追いこんでどうすんのよ!」


枕が俺の眼前に飛んできた。


ギリギリで腕でガードすると、高そうな枕が病室の床に落ちた。


後でこれ、変えてもらわないと。


枕を拾って膝の上に置く。


帰りがけに看護士さんに頼むか。


「だけど結果オーライだったろ?」


美優小さく唸ると頷いた。


「うむ。素直でよろしい」


「ふーんだ。私の裸見て動揺してたくせに」


「なっ!? 動揺なんてしてないからな!」
< 128 / 214 >

この作品をシェア

pagetop