氷の女王に口付けを

二週間近くも一人で調整なんて考えられないしね。それにミューちゃんのことも気になるし。


折角なのでお見舞いに来たのだけど、ありゃ?


病室の前で一人突っ立っている小さい男の子。


あれは……もしかしてチビ助?


「どうしたの~。こんな所で突っ立てさ~?」


声をかけたら、物凄く邪険な顔をした。


うーん、相変わらず俺のこと嫌いみたいだ。


「なんでカマトトノッポがいるんだよ。お前の初戦は日本だろ」


威嚇丸出し。だけどぜーんぜん恐くないよ。


だってチビだもん。ははっ。


「ほら、俺とミューちゃんって同じコーチじゃん。あんなことがあったからコーチが帰国できなくてね、代わりに俺が来たってこと」


大分話をはしょったけど、同じスケーターの大介なら分かるだろう。
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