氷の女王に口付けを

本気でミューのことが―――


「良く気付いたね。確かにミューが指輪を付け始めたのは合宿後から。だけどそれじゃあ合格点とはいかないな」


「合格点? なに言ってんだ?」


「前から言おうと思ってたけど、恋愛はフィギュアと一緒だ。失敗を恐れず挑戦しなければ結果は得られない。例えそれが絶望的な点差だとしても」


恋のキューピットからのありがたい言葉。


大介の目線が床に行く。


「ま、チャンスの女神の前髪を掴めという言葉があるわけだし、数少ないチャンスを有効に使わなきゃいけないよ~」


口調を戻して最後のトドメ。


行動を伴わない結果などないことを、少しは理解してくれたかな?


現状は、タクが一歩リード。


だけど大介の動きがどうなるか、それは俺にも分からなくなってきた。
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