氷の女王に口付けを
あ。
しまった。
ニヤニヤと口角を吊り上げる美優。
俺は凄く恥ずかしくなって、頭を膝の間に埋めて身悶えた。
ガキだって思われた。絶対思われた。
だけどしょうがないじゃん。俺だってなんでイラッとしたのかは分からないんだから。
「タクちゃんもまだまだお子ちゃまだね。仕方ないから、今日からのこの指輪をずーっと付けてあげるよ」
この声色は楽しんでる。
顔を伏せてるから表情は見えないけど、笑いを堪えているに違いない。
「もういっそ殺してくれ……」
「やだなー。まだ私のバトルフェイズは終了してないぜ!」
顔を上げると、不気味な微笑みが贈られる。