氷の女王に口付けを

過程がどうあれ、互いに有益があるのなら手を組む。


それは師弟関係であっても変わらない。


恋のキューピット、やってやろうじゃないか。


それで世界一の指導が受けれるんだ。安いもんだ。


「分かりました。お引き受けします」


「それは良かったわ。あ、だけどコーチをするのは二人がくっ付いてからよ。私との約束が優先だからね」


「構いませんよ。それでは今シーズン中にミューちゃんにボーイフレンドを作ってあげますよ」


このばばあは知らない。


ミューにはタクという幼馴染がいることを。


ミューにゾッコン中のチビッ子中学生がいることを。


後は俺が起爆剤になれば、花火は瞬く間に打ちあがる。


この二人ならミューを大事にするだろうし、フィギュアスケーターとしての美優の立場もわきまえている。
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