氷の女王に口付けを
タラソワ氏が危惧しているようなことは絶対にならない。
そうだな。まずは大介から攻めてみるか―――
……ということがあったんだよなぁ。
なんとか手つなぎ写メで誤魔化したけど、本当はまだあの二人は付き合っていないと分かったら、俺は解雇されてしまうのだろうか?
しないだろうな。一応実績は残してるし。
「コーチ、いくらお酒に強くても、それ以上飲むと明日が大変ですよ~」
そろそろ飲酒を止めさせないと、明日の女子フリーに関わる。
無理やりビール瓶を奪い取ったら、チッて舌打ちしやがった。
そして周りに聞こえないように、そっと耳打ちする。
「ところではにゅーboy。みゅーが毎日付けてたあの指輪って、貴方があげたんでしょ? なにやらよからぬことを考えてるんじゃないわよね」