氷の女王に口付けを

奈々はよしよしと頭を撫でる。へへ、これで舞は私にもう攻撃はできまい。


奈々はちっちゃくてお人形さんみたいにおっとりとした女の子。


まるで第二のお母さんみたいで、舞の暴走を止められる唯一の存在なのだ。すげー。


「舞ちゃんが言ってるのは、指輪のことだよ」


指輪?


指輪って……あ、タクちゃんのプレゼントのやつね!


「昨日やっと貰ったよ」


「まじでっ!? 見せて見せて!」


ちょっ舞、がっつき過ぎですよ。


早く早くと満面の笑み。奈々も目がキラキラと輝いている。うわっまぶし。


だけどゴメン。実は、


「お家にあるんだ。てへっ」
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