氷の女王に口付けを
「お見舞いだよ~。それよりその背後に隠した物は一体全体なんなのかな~?」
大介の頬が紅潮する。
確信した羽生は、大介から無理やり雑誌を奪い取ろうと襲いかかった。
もちろん大介も必死で抵抗するが、体格差で圧倒的に不利である。
あっという間に雑誌は取られ、羽生は雑誌を奪われないように頭上に掲げながら中を覗いた。
「ん? なにこれ? 『恋人たちのクリスマス特集~エッチ編~』だって~」
大介が見ていたのは、姉が買っている女性向け雑誌。そのクリスマス特集。
どうやらこっそり姉の部屋から拝借したようだ。
「返せよ! このカマトトノッポ!」
顔を真っ赤にさせながらピョンピョン跳ねて奪い返そうとするが、大介のジャンプ力を持ってしても雑誌には届かない。
哀れ低身長。そしてかなり恥ずかしいぞ。
羽生はニヤリと厭らしい笑みを浮かべ、雑誌に投稿された記事を読み上げた。