氷の女王に口付けを

ペコちゃん人形みたいに舌をだして誤魔化してみたけど、また舞にチョップされた。痛いー!


「なんで持ってないのよ! ていうか、貰ったんなら速攻付けて肌身離さずが乙女ってもんでしょうがー!」


「ま、舞さん? なんでそんなに怒ってらっしゃるんですか?」


「あんたがオシャレに疎いのはよーく知ってるよ。だけどね、今のあんたを見たらタク先輩どう思う?」


「ど、どうって……?」


「折角プレゼントしたのに付けてないんだよ? ショックで悲しむに決まってるじゃない!」


舞さん、あなたのお顔鬼みたいになっておりますよ。


なんて言ったら、今日が私の命日になるんだろうな。くわばらくわばら。


でも、そっか。ショックで悲しむのか。


悲しむ……のか?


「うーん。いまいちピンとこないけど、そういうもんなの?」
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