氷の女王に口付けを
「女性雑誌で勉強とは、大介もなかなかやるね~。
なになに『彼と迎える初めての聖夜。エッチが初めての彼はゴムを装着するのに手間取り、挙句の果てに「生でいい?」とか言ってきやがった! 甘々ムードが台無しだっつーの!』
だって。チビ介も注意しなよ~。なんなら今から予習してみる?」
「ふっ、ふざけんな馬鹿! さっさと返せ変態ノッポー!」
ピョンピョンピョンピョン。
四回転以上の跳躍を見せるが、それでも雑誌に掠りもしない。
羽生の身長と手足の長さに苛立ちを覚えるが、こうなってしまっては誰も羽生を止められない。
このまま全てのエッチ編を朗読してやろうかと羽生は考えたが、とあるページに目を奪われた。
恋人たちのクリスマス特集~感動編~
「これいいじゃん。
『クリスマスに大事な部活の試合があったんですが、散々な結果に。ホテルで一人泣いていると、遠距離恋愛中の彼から一通のメールが。「部屋のドアを開けてみて?」なんだろうと思いドアを開けると、そこにはなんと彼の姿が!
なんと東京から静岡まで、わざわざ私の試合を応援しに来てくれたんです!
私が落ち込んでいると必ず現れる彼に、さらに惚れ直しちゃいました♪』
だって。よし、チビ介。来年はこの作戦でいこう!」
「作戦? なに言ってんだよお前は」