氷の女王に口付けを
三年と二年の教室は違う階にあるから、たまたま通りかかったということはないだろう。
んーなんか返す物でもあったっけかな?
ワンピースの新刊はこの前返したし、借りたお金の返済期限はまだあるはず。
なんだっけなんだっけなんだっけ―――
あ、そっか。昨日のメールのことね。
タクちゃんの元へ向かう。
タクちゃんは両手を合わせて「悪いな」と一言。
別にいいんだけどね。お弁当も丁度食べ終わった所だったし。
ここじゃなんだからとタクちゃんに連れられて、学校の中庭にまで移動。
移動なんてしなくてもいいのになーと思いながらも、よくよく考えれば三年生のタクちゃんが二年生の教室にいるのは居心地が悪いかと気づいたので、黙ってついて行くことにした。
「悪いな急に。それで有香さんに連絡はとれた?」
「ついたよ。今週の土曜日に来るって」