氷の女王に口付けを
凄く驚いたしちょっぴり嬉しかったけど、きちんとお断りした。
正直リッスン選手のことを私はなにも知らないから、はいじゃあ付き合いましょうと返事をすることは出来なかった。
それに、なんか心の奥で引っかかったのだ。
なんていうか、こう、うまく言葉には出来ないんだけど……。
とにかく駄目だと思ったのだ。自分自身よく分からないけど。
「だけどリッスンってイケメンじゃん? ミューちゃんフリーなんだから試しに付き合っても良かったんじゃな~い?」
「確かにリッスンはイケメンだけど、なんか違ったんだよね。付き合うなんて発想は一ミクロンも湧かなかったなぁ」
「ふ~ん」
羽生は意味深くに微笑みと、グラスに入った水を一口飲んだ。
グラスを置いて、真っ直ぐ視線を送りつける。
「それって、心に想っている人がいるってことじゃないの~?」