氷の女王に口付けを
試合はすでに、始まっているのだ。
曲掛けの練習を始める。
男子SPの演技時間は2分50秒。八つの要素からなる演技をする。
ジャンプの要素は、アクセルジャンプ(三回転もしくは二回転)ステップからのジャンプ(四回転もしくは三回転)ジャンプコンビネーション(4-3・4-2・3-3・3-2のいずれか)の三つ。
スピンも、フライングスピン・足換えスピン・スピンコンビネーションの三つ。
最後は異なる二つのステップシークエンス。
フリーとは違い、取りこぼした要素を再びやることはできない。
リカバーすることが出来ない=ミスをしたらそれが最後。
フリーが苦手な俺は、このショートで完璧な演技をしなければ、表彰台に上ることは不可能だろう。
曲掛け練習ではジャンプはせずに全体の流れだけを確認する。
俺の振り付けに有香さんの振り付けが合わさった、昨シーズンの物よりずっと濃いプログラム。