氷の女王に口付けを
ファイナル進出は、物凄く厳しい。
それより、大介の声が大きすぎて周りの人が注目しているんですが。
お願いだからもうちょっと落ち着け。お客さんに迷惑だから。
なんとか鎮めようと手元にあったミルクティーのペットボトルを渡したら、乱暴に奪い取ってゴクゴクと飲み干した。
一先ず落ちついたか。
空になったボトルをテーブルに置いて、腕で口元を拭う。
俺に刺さる視線はまだ鋭利なものだ。
「とにかく優勝しろ。絶対ファイナルに来い。そんで、俺がお前を完膚なきまでに叩き潰してやる」
えー。ここまでの話を整理すると、大介はかなりのご立腹であるということかな?
まあ、好きな女性を悲しませた男(俺)は、大介にしては憎っくき大敵だろうけどさ。
「とりあえず頑張ってはみるよ。けどなんでファイナルなんだ? 全日本なら確実に戦えるだろ」