危険ナ香リ

「ちょっと！そんな話、あたしの前でしないでよ。耳が腐る」




　やっぱり優しい柚乃ちゃんが、そう言って話を断ち切らせようとしてくれた。


　しかも、あたかも自分が聞きたくないからそう言ってるかのように喋ってくれた。


　……全部あたしの為なんだって気づいて、なんだか申し訳なくなった。




「ん？……ああ、悪い悪い」




　チラリと祐を見ようとしたのに、飛鳥くんが目に入った。


　なんでかと言うと、あたしを見ている飛鳥くんの視線に気づいたからだ。




　飛鳥くんはあたしが祐を好きだって、気づいてる。




　飛鳥くんの行動がそれを教えてくれていた。


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