危険ナ香リ



 何度も何度も、息を吸う度に罪悪感が込み上げる。


 堪えきれなくて、離して欲しいと何度も言った。


 だけど離してはくれなかった。


 何度もそれを繰り返した。


 ……次第に、佐久間先生の体温が心地よくなって、目を伏せた。




―――― 最近、この人の前で泣いてばかりな気がする。




 そう思ったあと、完全に目を閉じた。




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