危険ナ香リ
イイコト教えてあげようか
「……しょうね」
「アホ。連れてくる途中で寝たんだよ。変なことなんかしてない」
「ってゆうか、美波先輩って本当に佐久間先生と同棲してたんですねっ!」
「同棲いうな!葛西(かさい)!」
……うるさい……。
眉を寄せながら寝返りをうつと、いきなり宙に浮いた。
「ぎゃっ」
べしゃっと地面に落っこちて、体を痛める。
な、なんで落ち……いやそれより痛……いやいやそれより、ここどこ!?
ぶつけた頭を押さえながら、すっかり覚めた目で周りを見回す。
そして、ここがどこだか理解できないまま、
「ぐっもーにーんぐ!まいすいーとハニー!」
「うぎゃっ」
寝転んでいた体を無理矢理起こされ、それでキツく抱きしめられた。
な、なんかおっきい胸が当たってる……!
「先輩。それは死にます。逝きます」
「あ。そうだったわ。恭子ちゃんはデリケートなんだったわ」
聞き覚えがある声があたしに助け舟を出すと、すぐに拘束がとける。
そのまま苦しさのあまり、さっきまであたしが寝ていたと思われる布団に手をついて、息を吸う。
……って、今の声と胸の大きさは……。
「み、美波先輩?と、柚乃ちゃん?」
まだ息切れを起こしているまま振り向くと、柚乃ちゃんと美波先輩と……佐久間先生の姿が見えた。
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