危険ナ香リ



 だから余計に嬉しく思えちゃう。


 どうしよ。嬉しくて涙止まんないよ。




「せ、先輩が内緒にしようって言ったから」

「だって、恭子ちゃんのしょんぼりしてる顔、可愛かったんだもん」




 ……へ?

 内緒?


 流れていた涙が不意に止まり、2人を見つめる。




「……内緒?」

「そう。サプライズ」

「さぷらいず?」




 まだ涙が残っている目をキョトンとさせる。


 いまいちピンとこなくてしばらくそうしていると、2人は顔を見合わせて笑った。




「なにはともあれ。誕生日おめでとー!きょーこーっ」

「おわっぷ」

「ハッピバースデー!きょーこちゃーん!」

「わきゃっ」




 一気に2人に抱きしめられて、埋もれた。


 む、胸大きいんだってば、美波先輩!

 ゆ、柚乃ちゃん苦しいよ!


 なんて思いながら、あたしは思いっきり頬を緩ませて笑っていた。




「ありがと、ございます」




 やっぱり、2人共大好き。



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