危険ナ香リ
ここで断ったらどうなるんだろう。
そう思ったら、無意識のうちに首を縦に振っていた。
「ありがと!清瀬さんならそう言ってくれると思ってたっ」
にこっと笑う佐藤さんを見て、あたしは苦々しく笑うしかなかった。
―――― あたしは臆病者だ。
嫌われるのが嫌だ。
例えそれが名前と顔しか知らないクラスメートだとしても、嫌われるのは嫌だ。
……1人は寂しいから嫌だ。
だから嫌われるよりは、1人になるよりは、こんな雑用、どうってことない。
「じゃあね」
その一言だけを述べて、また元きた道を戻っていく佐藤さんの背中を見て、小さなため息をはいてしまった。
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