危険ナ香リ



 ……え?


 っと、あの。それはどうゆう意味でしょう。


 戸惑うあたしに、もう何も言わなくなったお姉ちゃんは、テレビの電源を消してさっさと部屋に戻っていった。




 ……“教師を好きになっても”って……。


 佐久間先生なんて、好きになるわけないもん。


 お姉ちゃんってば、いきなり変なこと言わないでよ。




 とりあえず、お風呂に入ろうと思い部屋に着替えを取りに向かう。


 部屋に入ったあたしの目に、真っ先に飛び込んできたのは、今日買ってもらったプレゼントだった。


 机の上に置いてあるそれに足が向かう。


 袋の中から懐中時計を取り出して、それを開く。




 時計は、規則正しく動いて、時間を知らせてくれている。


 あたしがどんな時間を過ごしても、きっと、時計の針は動きを止めないんだろうなと、不意にそんなことを思った。


 誰もが言っている“時間は平等にある”という言葉を、今ほどリアルに感じたことはないだろう。




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