危険ナ香リ


 それはなんでかといえば、柚乃ちゃんに祐のことが好きだと自白したのは、祐にカノジョができてからだったから。


 だから、必然的に励ますことと慰めることしかできない柚乃ちゃん。


 ……その柚乃ちゃんが、いきなり応援だなんて。


 嬉しいけど、どうしたのかなって思う。






―――― 冬休みが間近に迫った、寒い日のことだった。






 必死に柚乃ちゃんから借りたノートを自分のノートに映していると、肩をたたかれた。


 振り向くと、後ろには祐が立っていて。




「なぁ、恭子」

「なぁに?」

「今日、帰ってから恭子の家に行っていい?」

「……え?」




 断る理由はなかった。


 だから頷いた。




―――― 放課後、やっぱり頷かなきゃよかったと後悔することになる。




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