危険ナ香リ
第1章
近すぎるのも困りモノ
「……あ」
“また”だ。
夕焼けが眩しい外の景色を中から見て、胸を痛める。
コツン、と窓に頭をくっつけると冷たく堅い感触が肌に伝わった。
目に見えるモノと、寂しく白けた空間に、なんだか泣きたくなってしまった。
―――― 小さな頃から大好きな彼に最近カノジョができた。
そのカノジョは、とっても可愛い年下の女の子。
そんな可愛いカノジョ何度か名前を耳にしたことがあるのは、所属している美術部で何度も表彰を受けているから。
才能があって、しかも可愛くて。
単純に、素直に、……“ズルい”と思った。
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