危険ナ香リ
「あ、あのっ。な、何かご用、ですか……?」
いたたまれなくなってそう切り出すと、佐久間先生は「ああ」と言って近づいてきた。
さっき香ったタバコのニオイが今はもう感じられなくなっている。
あれ?なんでかなぁ?
「今日、暇か?」
「……へ?」
にこっと笑う佐久間先生を見上げて、キョトンとする。
一体、なんでそんなことを聞くんだろう?
その疑問の解答は、佐久間先生がすぐに口に出してくれた。
「俺の家に来てくれないかな?」
―――― 周りに人がいない、不気味な時に、不思議なことを言われてしまった。
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