危険ナ香リ





「あ、あのっ。な、何かご用、ですか……?」




 いたたまれなくなってそう切り出すと、佐久間先生は「ああ」と言って近づいてきた。


 さっき香ったタバコのニオイが今はもう感じられなくなっている。


 あれ?なんでかなぁ?




「今日、暇か?」

「……へ?」




 にこっと笑う佐久間先生を見上げて、キョトンとする。


 一体、なんでそんなことを聞くんだろう?


 その疑問の解答は、佐久間先生がすぐに口に出してくれた。






「俺の家に来てくれないかな?」






―――― 周りに人がいない、不気味な時に、不思議なことを言われてしまった。


.
< 20 / 400 >

この作品をシェア

pagetop