危険ナ香リ




「……あたし、祐のことは、もう……」

「じゃあ安藤はどう思う?」




 飛鳥くんは……。


 ……初めから、そうゆう対象じゃない。




「飛鳥くんは、ただの友達です」




 あたしはそう思いたい。


 そうゆう願望を入れてそう言った。




「じゃあ、俺は?」

「え?」




 パッと顔を上げると、いまだにあたしを見つめる佐久間先生の瞳と目が合った。


 ドキッとして、目を逸らすことを忘れた。


 ……佐久間先生は、いったいなんだろう。


 考えると、ますますよく分からなくなってきた。


 ただの養護教諭だとそう言えばいいんだろうけど……でもそれは違う気がする。


 違うってなにが?

 確かに佐久間先生はあたしの学校の養護教諭じゃないの。

 ……でも違う。


 ぐるぐると頭を回転させて悩む中、佐久間先生は時間を惜しむような手を伸ばしてきた。




「やっぱりいい。言うな」




 なんて自己中な。


 そう毒ついた時、長い指先があたしの頬を撫でた。


 ……もっと触れてほしい。




「舐めさせろ」

「……え!?」




 なんでこのタイミングでそんなことを!?


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