危険ナ香リ
そう理解すると、周りの部屋を確認する間もなく、すぐにドサッと落とされる。
下が柔らかくて、すぐにベッドだと分かった。
分かった瞬間に、カッと顔が熱くなった。
「危機感、持った?」
ギシッとベッドが揺れたと思うと、肩を掴まれそのままベッドに押し付けられた。
短い悲鳴をあげた後、佐久間先生の顔を見上げるような体勢になっていた。
この角度から見る佐久間先生は初めてで、いつも保健室にいる先生とは違う雰囲気を放っているように見える。
「……っ」
あてられた、と思った。
色気とゆうものがあるのなら、あたしは今、確実に佐久間先生の色気にあてられてしまっている。
ドキドキして、彼の前にこんなみずぼらしいあたしがいることがこんなにも恥ずかしく思えて……思わず口元を手の甲で覆って顔を逸らした。
「……なあ、清瀬」
肩にあった手が、1つ離れて、あたしの頬に優しく触れた。
「女が一番綺麗なのはベッドの上で男に敷かれてる時だって、知ってたか?」
……知りたくもありません。
またお馴染みの意地悪変態発言だと思った。
だから、これはきっとあたしで遊んでいるんだと思った。
……だけど心臓の動きは収まらなくて、あたしは顔を向けられない。
佐久間先生に敷かれているあたしは、いきなり首筋にくっついた唇にビクリと体を跳ね上がらせた。
驚いて声をあげようとしたけれど、さっきまで頬に触れていた手が、あたしの口を覆ったせいで声が出せなくなっていた。
……不思議と、抵抗はできなかった。
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